2011年09月25日

【不安・不安定・安心】+【7】 『四股の動き』

【不安・不安定・安心】

安定した姿勢である。重心は足腰に落ち着き、上半身は鉛直線(地球の中心点と天頂を結ぶ線)が体軸と一致していてすっきりと軽く安定感がある。

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東洋的な身体観ではこれを「上虚下実」と呼ぶ。上半身は空っぽで力みがなく(虚)、下半身に力(エネルギー)が充ちて
(実)いる状態。

正月飾りの達磨さんがその象徴である。「七転び八起き」と云う。転んでも転んでも立ち上がって来る。野口三千三先生は「
したたか(健か・強か)」と説明していた。したたかとは「したたしか(下確か)」だと。次いでながら、「地に足が着いた生き方」と云う言葉もある。

この姿勢、爪先を出来る限り外側に向けてから、脚を鈎の字にするのでとても不安定。股関節を割り込むようにして直立した胴体を鉛直方向に下ろして行くときは、まるで綱渡りのような、からだ全体のバランス感覚への集中が求められる。倒れるか倒れないかのギリギリ微妙なところでバランスをとる。そのうえ脚の筋肉は総動員を求められ、普段は使わないため退化してしまっている筋肉も参加させられる。辛くて悲鳴をあげる。「ヒーッ!タイヘン!」となる。

そんな内側の状況をそのまま堪(こら)えて、からだを真っ直ぐに大きく支える。
やっている本人は気を抜けない。抜いたら姿勢が崩れてしまう。腰が充分に下りたところで、両手を挙げて「大の字」のまま静止。慣れないうちは10秒ともたないが、このときの立ち姿は、みんな堂々として美しい!自分の新たなからだの回復である。

外見は落ち着いて堂々として見える姿勢だが、内心は「ヒーッ!タイヘン!」の姿勢。実はこれがとても大切。
敢えて不安定な姿勢をとることで、普段の安定が崩れたところでからだ全体の隅々にまで、より深く繊細なバランス感覚を働かさなければならない。結果として、その姿からは日常的な曖昧さやだらしなさがそぎ落とされ、堂々として張りのある、それでいて開放感を伴った姿が現れる出る。

文明化は、生活の中から足腰の感覚を育てる機会を奪ってしまった。からだを支える足腰の感覚能力が低下することは、からだの土台におけるバランス対応能力を失うことである。足腰が能動的に変化しつつ姿勢を下支えし安定を保つことで、上半身は人間独自の細やかな作業や表現に専念することが出来る。

ところが足腰の働きが鈍く硬くなってしまっては、その不安定さを上半身の筋緊張でもって補わなければならない。脚が棒になり腰が固まれば、固定することなく地面に立てられた直径30cm高さ80cm余りの柱の上で、バランス曲芸を強いられているのと一緒である。これが不安の根本原因である。どんなに巧みにからだの安定を取るために、知恵を働かして手段を講じても、足腰の感受性が復活されない限り、不安は解消されることが無い。これでは落下や転倒の恐怖のために、こころが安心できないのが当然である。

短絡的に足腰を鍛えればいいと、筋力を付けることに一生懸命になる人がいるが、それでは感覚は育たない。
この動き(ポーズ)を適度に繰り返すことで、脚の筋感覚が目覚め、必要に応じて様々な筋肉がバランスよく発達してくる。からだの本来もっている安定が戻ってくれば、自然気持ちも安定感を取り戻す。やっと安心できるというものだ。


動作の詳細は【7】『四股(しこ)の動き』を参照して下さい。




posted by セトジマミツル at 23:07| Comment(2) | ストレッチ体操 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
四股の参考になる動画を
探していました。
とても参考になりました☆
Posted by めぐ at 2012年01月16日 03:23
お役に立てて何よりです。
ありがとうございます。
Posted by 瀬戸嶋充 at 2012年01月16日 23:42
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